俺の手が届く範囲にいろ。
__ガラッ……
教室にたどり着くと、
京ちゃんの姿があった。
「っ……あのね、京ちゃん…」
息を整えて、わたしは京ちゃんの名前を呼ぶ。
A組教室、カバンを持った京ちゃんの後ろ姿。
わたしは、拳をギュッと握りしめた。
「…は、話したいことがあって…
っ…わたしね…」
「…聞きたくねーよ」
……そのとき、わたしの声に被さって
京ちゃんの低い声が耳に届いた。
「……へ?」
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