ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2

今日、私は……

あの日から私は大輔さんの手厚い抱擁を受け続けた。

幸いにもホタルの病気は軽く済んで、一年近く経った今も、伊万里焼のどんぶりの中で元気に泳いでる。


純香さんはあの一件の後、大輔さんにこっ酷くフラれ、今はボランティア活動にも参加してこない。

兄の健太朗さんの話では働いてた花屋の店長を任されて、毎日忙しくしてるんだそうだ。



「今日も仕事で来れないけど、『おめでとう』って言ってたよ」


健太朗さんは僧侶にも関わらず、相変わらず鼻にも唇にもピアスをしてる。
自分みたいなナマクラな人間でも、仏の道は説けるんだと教えたいからなんだそうだ。



「ケイ、おめでとー」


すっかりコンタクトに慣れてる聖は、今日に限ってはメガネで出席。


「絶対に泣くから目腫れると思って」


コンタクトだと、どうせ外すことになるというのが理由らしい。



「蛍、キレイよ」


今日からは正式に兄嫁になる真綾が笑う。
つい先週妊娠がわかり、つわりはまだ始まらないから助かったと言ってた。


「仲良く三世帯で住もうね」


大輔さんの家にある仏壇の主からの教え通り、旅行から帰ってきたら私達は、あの大きな家の三階部分に住むことになってる。



「いいなぁー、真綾もケイもリッチな生活で〜〜」


「そう言う聖もスゴいじゃない。羅門さんに付いて行って、イタリアで暮らすんでしょう?」


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