ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2

新しい恋の相手?

夏の夕暮れ時は地獄だ。6時を回っても昼間のように暑い。


「暑ーいっ!」


部署のエアコンが壊れてしまい、熱帯低気圧に襲われてる気分だった。


「先パーイ、その格好はないですよー」


隣のデスクに座る後輩が笑う。


「だって暑いんだから仕方ないでしょ!何かで風作るしかないじゃん」

「そうだけど、道具が悪すぎです」


「ん?」

「それ、会計報告書のファイルですよね?」


5センチほどの厚みがあるファイルを指差した。


「それ、さっき入力に使ったばっかだから、失くされたら大変です!」


(チッ!)


仕事捌けないくせに余計なことを言う。


「ハイハイ、分かった」


報告書のファイルを机の上に放り投げた。


「荒っぽーい!」


(何とでも言ってよ)


頭の中で呟き、カタン…と椅子から立ち上がった。



「私、上がるわね」


『えっ!?』


部署の全員に驚かれた。


「私のノルマ終わってるので帰らせて頂きます!」


お疲れ様~と手を振った。
唖然としてる連中を尻目にドアの外へすり抜ける。



「……してやったり!」


後輩も含めて部署の全員が暑さでグロッキー状態だった間、私は黙々とキーボードを打ち続けた。


(おかげで誰よりも早く上がれる♡)


ニンマリしながら更衣室のドアを開けると、誰一人としてまだいない。


「ラッキー!独占だー!」


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