五月雨物語
今夜は錬の部屋に泊まり

不自由な錬のために
当分のおかずを作って
冷蔵庫に入れた。

明日の夜にはまた
東京に戻らなきゃいけない

「あんた、ちゃんと食べなさいよ!」

「また、母ちゃんみたいな
言い方する。
これでももう大人なんだから
平気だよ~!」

「何よ!彼女もいないくせに。」

今夜は久しぶりの
兄弟水入らずだ。

思えば錬も大きくなったものだ。

めったに会えないあたし達を
引き合わせてくれたのは

きっと母さんだ。

< 187 / 240 >

この作品をシェア

pagetop