テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
「あ!いた!!!」
特別棟から外へ出た時、紗乃が私のところに飛んできた。
「もー!!ずっと探してたんだからねっ……て、どうしたの?」
紗乃の顔を見て、さらに涙があふれる。
「さぁぁのぉぉぉぉぉ」
私は紗乃に抱きついて泣きじゃくった。
紗乃は何も聞かずに、私の背中を優しくさすってくれた。
「落ち着いた?」
「うん」
仮設のベンチに並んで座った私たち。
紗乃は、私の嗚咽が引くのを、辛抱強く待ってくれていた。