テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

「いくまるは好きな芸能人とかいないの?」


私はくるりと後ろを振り返る。


「いねーよ……芸能人には」


意味深な言葉に私はちょっと思考を巡らせる。

あぁ、なるほど!


「芸能人にはってことは、学校にはいるってことか!」


私は顔をにやつかせる。


「同じ学校の子?同じクラスの子?…あー、でもいくまるはちっちゃいからなぁ、もっと大きくならなくちゃねぇ」


「は?ちっちゃい言うな!ついでにいくまるって呼び方も犬みたいだからやめろって前にも言っただろ?」


ずかずかといくまるは私のことを追い越した。


「だっていくまる気に入ってるんだもん」


私の声は虫の鳴き声にかき消される。
歳下のくせに生意気なんだから。

私がいくまるの隣に並ぶと、彼は再び歩き始めた。

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