とある夏の日のことだった
相合傘

デートをすると80%くらいの確率で雨だったんだ。
待ち合わせをする時は必ず君は電車を嬉しそうに眺めながら、雨傘を無意識に、それは楽しそうにくるくると回していた。
時々それは俺を見つけてもお構いなしに続行されて、俺は俺なりに君の瞳に映る景色はどんなものなのかって必死に知ろうとしたんだよ。
ほら行くよと手を繋ぐのが合図で、そうすると君は自分の傘をたたんで、当たり前のように俺の傘に入ってきてたね。
横に並んだ俺を見上げても、頭の上に広がった傘を見ても、「おっきー!おっきー! 」とはしゃぐ君が無邪気な子どもみたいだった。
だけど水溜りも好きな君は、自由きままにぴょんぴょんと跳ねるから、君が濡れないようにという俺の努力はたいてい意味がなくて、そして左の君をかばう俺の右肩もまた、いつもびしょ濡れだったんだ。
< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop