君に溺れた
side~真凛~
腕の骨折は順調に回復して、大地さんも術後の経過がよくて2週間で退院した。

今日は大地さんをお父さんに紹介する。

待ち合わせのホテルのラウンジで待っていると、大地さんからLINEがきた。

仕事で少し遅れるとのことだった。

私は了解と返信した。

「真凛!」

「お父さん!」

「久しぶりだな。腕はもう大丈夫なのか?」

「大丈夫よ。」

「顔の傷も残っていないようだな。よかった。」

「心配かけてごめんね。大地さん、少し遅れるみたい。」

「そうか。じゃあ先にレストランに入っていよう。真凛にフランスのお土産があるんだ。」

「わぁー楽しみ。」

お父さんとレストランに向かう。

フランス出張のお土産をもらって、話をしていると大地さんが少し遅れてやってきた。

「遅れてすみません。」

「いや。久しぶりに真凛と話せたしよかったよ。一ノ瀬大地さんかな?」

「はい。初めまして。真凛さんとお付き合いさせていただいております。一ノ瀬大地です。」

「肩苦しい挨拶はいいよ。君のお父さんとは親交があるし、君が真凛の彼氏で嬉しいよ。」

お父さんと大地さんは楽しそうに仕事の話、趣味の話をしていた。

「お父さんとうまく話せてよかった。」

「あぁ、安心した。」

「大地さん、今度は大地さんの両親に挨拶したいです。」

「・・・あぁ、予定を聞いてみるよ。まずは引っ越しして落ち着いてからにしよう。」

「わかりました。」

< 81 / 112 >

この作品をシェア

pagetop