あなたのそばにいたいから
翌日はトモも私も仕事。
アメリカでは外食する傾向が多い。
トモの作った商品は、日本では個人家庭向けの洗剤だったが、
アメリカでは外食産業に向けて業務用で
まず発売していく方針になった。
そのことをマザーヘルパー社に報告しなければならない。
その晩、トモに

「トモ、私、9月27日から1週間、一旦、日本に帰るね。」

「あぁ。どうした?」

「もともと、私は9月30日までは社員なの。
手続き関係が残っているのもあるし、
今日の会議の結果を受けての仕事の打ち合わせもあるの。」

「じゃあ、俺もそのあたり、ユウと一緒に日本に一時帰国しようかな。」

「えっ?簡単に決められるの?」

「いや。ただ、本来の夏休みは来週の予定だったんだ。
ユウ、最初、俺の誕生日あたりでこっちに来るって言ってただろう?
来たら一緒に過ごすつもりで一週間休むつもりでいたんだ。
でも、ユウがいるからその必要なくなっただろう?」

「うん。」

「今、24時間目が離せないような研究はやっていないんだ。
ちょうど、おとといのパーティーの前で区切りがついていて…。
もちろん、相談しないとわからないけどな。」

「そうなんだ。いろいろごめんね。迷惑かけて。」

「そんなことはないよ。
ユウがずっとそばにいてくれるのはうれしいから。」


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