偽りのヒーロー

action.33




 ちっとも合わない目。言葉をかけることもない口。


季節が変わると、いつしかレオには、就職先の内定が出ていた。祝勝会だと銘打って、7組のクラスメイトと一緒に遊びにも行った。未蔓と原田、そして菖蒲は誘えば一緒に遊んでくれた。

あんなに苛立ちの元だった紫璃も、おめでとう、とケーキをくれた。

それも全部レオのアクションあってこそのものだった。




 夏休みが終わって、秋になった。


就職クラスには、どんどんと明るい声が聞こえていた。
9月に内定が出なくて落ち込むクラスメイトも、追加募集の求人に必死に目を通しているようだった。

それと逆を行くように、進学クラスは勉強一色になっていた。授業が終わっても補講。補講に出ていない生徒は大概予備校。

それどころか、1時間目の前に、進学クラスだけ朝の学習時間が設けられているようだった。



 朝の登校時間も違う、放課後の下校時間も違う。

進学クラスとは、合同体育もなければ、隔離されたように会うこともない。

こんなにも置かれた環境が違うことに、何度レオは溜息をついたことだろう。



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