純愛☆カルテット

お近づきの印に身の上話をしませう scene.α

10月も残すところあと数日に迫ったある夜、希和が自室でレポートに励んでいると、浜安修二が思いがけずメールをよこしてきた。

『ごめん磯井さん、申し訳ないけど先週の免疫学のレジュメコピーさせてもらいたい』

先週浜安君授業休んでたっけ?

希和は記憶をほじくり返そうとしたが思い出せなかった。

『いいよ、書き込みの字汚いけど。どこで渡せばいい?』

『明日の授業終わった後でもいい?』

『おけ』

希和は短く返信してやり取りを終了した。

明日は部活もないしちょうどいい。

スマホをベッドに無造作に投げ、希和は再びパソコンに向かったが

すでに2時を過ぎている。

(明日にするか)

希和はパソコンを閉じ、足音を忍ばせて洗面所に向かった。

あまり深夜にうるさくすると、母親が次の日の朝文句を行ってくる。

(一人暮らししたいよう)

紅子は希和と同じくらいの距離に実家があるのに、大学近くで一人暮らしをしている。
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