それはとっくに恋だった
「もしもし?」


『あ、かーさん。俺だけど。』



「何?どうしたの」


『あのさぁ、真尋って覚えてる?』


「真尋ちゃん?覚えてるわよ。りっちゃんの結婚式にもいたわよね?

 ますます綺麗になって・・・で?その真尋ちゃんがどうしたの?」


『あのさ、真尋と結婚することになったから。』


「え?」


『ちなみに、こどもも生まれるから。』


「え??!!颯太!真尋ちゃんのご両親には報告したの?」


『まだ』


「まだじゃないわよ!!こっちのことはいいから。先にあっちのご両親に挨拶に行きなさい!!」


『わかってるよ。』


「いい?絶対にきちんとお許しをもらうのよ。」



『わかってるよ。一応聞くけど、うちは反対じゃないよな?』



「当たり前じゃない!!」



『じゃあ、いいや。』


「うちはいつでもいいから!!真尋ちゃんの体調の良い時にしてあげなさい。」


『わかってる。じゃあ』


「ちょっと待ちなさい!!颯太?!」


もう電話は切れてしまっていました。



それにしても、こどもって・・・いくら授かり婚って言って最近は珍しくないとはいえ。




仕方ない子です。




罰として、颯太の小さいころの恥ずかしい出来事を真尋ちゃんに暴露してやろうと思います。



何はともあれ、息子の長年の片思いが実って母としても喜ばしい限りです。



やっぱり、息子には幸せになって欲しいですからね!!




でも、やっぱり今度こそ頭をしばいてやろうと思います。
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