蝶と空
そして
中2の夏。
「空、勉強教えてくれる?」
俺の部屋のドアからひょっこり顔を覗かせたのは、あゆみだった。
あゆみは、おばさんの娘。
「あぁ、いいよ。あゆみの部屋でしようか?」
「……ううん。空の部屋がいい」
「じゃあノート持っておいで」
「う、うん!!」
あゆみは小走りでノートを取りに部屋に行った。
あゆみの部屋は、すぐ隣にある。
紗知と…
同い年だ。
俺の、一個下。
紗知も中学生になった。