甘言師、臥雲旦陽の甘い毒

 「そうね。うん。そうよ。良い機会だし、あなた今回の依頼、臥雲さんと組んでみて」

 「え」

 「え。じゃなくて。はい、わかりました。でしょう?一度ちゃんと依頼と仕事に向き合えば詐欺師と甘言師を間違えるなんて馬鹿なことはしなくなるはずだもん」

 行動は早い方がいいと、二階から降りてきた臥雲に成り行きの説明をしだした。

 「…詐欺師…騙し屋?そこまで頭悪いのか、お前」

 今までろくに依頼に参加せず、お茶くみしかしてこなかったのだから無理もない。

 だがそんなことは知った事かと、コンビを組まされる臥雲は不機嫌に頭をかいた。

 「言っておくけど、もう決定したからね」

 梅芳の決定は覆えせないと知っている臥雲が気怠い声で返事をした。

 「新米、邪魔したら…刺す」

 「…さ…刺すって…」

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