A 一粒の涙が一つの想い出になる瞬間
プロローグ
「だから、今日失恋したんだ」

雨が降る夜のbarで、一人の客がそう言った。

「お気の毒に」

バーテンの男はそう冷たく返した。
静けさだけが残る店内。
雨の音だけが聞こえてくる。

「貴方は彼女とかいるんですか?」
「私ですか?今はいないです。」

二人だけの店内に静けさが残る。
バーテンは窓の方を見てこう言った。

「この一粒の雨が今まで失恋してきた人たちの涙かもしれませんね」
「貴方は失恋とかしたことないんですか?」

バーテンは遠くを見て答えた。

「ありますよ、気持ちはわかります」
「そうなんですね....気分転換に何か一つ話してくださいよ!」

客はそう笑顔で言った。

「かしこまりました。
ではある男の話をしましょう。」

雨が少しだけ強くなり寂しさを増した。

< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop