雪の降る日に、願いを消して
華やかな黒板
桜子と駿が付き合い始めた。


その現実はすぐには受け入れにくいものだった。


だけどそれが現実だ。


もうあたしは頑張る必要もないし、悩む必要もない。


朝になってぼんやりと部屋の窓から外を眺めていた。


今日もとても天気がよさそうだけれど、グッと冷え込んできている。


真冬が訪れるまでもうすぐだ。


１２月に入ればすぐに期末テストがあって、それから冬休みがある。


今から勉強をしておかないと今度のテストはきっとボロボロだろう。


そんな事を思っていると、窓の外に人影が見えた。


池田高校の制服を着ている男女が歩いてこちらに向かってきている。


その姿に見覚えがあって、あたしは何度も目をこすった。


そうしている間に男の子の方が視線を上げてこちらへ手を振って来た。


聡樹だ。


それにつられて女の子も視線を上げる。


紗英だ。


「なんで！？」


思わずそう言い、時計を見た。


時間はまだまだ早い。


が、この時間はいつもあたしが家を出る時間だ。
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