雪の降る日に、願いを消して
駿が誰と仲良くしていようが関係ないのだから。


「今日はショウじゃないね」


紗英がそう声をかけて来たので、あたしは2人から視線を外した。


「そうだね……」


「昨日聞いた話、全部本当なのかな?」


紗英があたしの前の席に座ってそう言った。


「ショウが言ってたこと? 本当だと思うよ? あそこで嘘をついても得にはならないんだし」


あそこで嘘をついたとしても、それは到底隠しきれるものではないと、ショウも感じていたことだろう。


あたしが駿を尾行していたと言う事は、これから先も尾行されるかもしれないと言う事。


公園から帰る時後ろ姿を写真に撮られた事にも気が付いていなかったのだ、ショウと駿のツーショットを正面から撮られる可能性だって、これから先あるかもしれない。


だから、無駄だとわかっている嘘はつかなかったと思う。


「信じられないよね。2人の両親は一体どういう人なんだろう」


紗英が呟くようにそう言った。


同じ家の下で双子の兄弟を育てている人。


その人たちも、2人が交互に学校に来ていることを当然知っているだろう。
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