雪の降る日に、願いを消して
踏み出すため
桜子はその後も自分から駿に話しかける事はなかった。


やっぱり保健室でなにかがあったのだろう。


その態度から見ると、駿が桜子の機嫌を損ねるようなことをしたのは間違いないと思えた。


それにしては、駿は桜子の様子を気に留める事もなく、いつも通りクラスの中心になって会話を弾ませている。


「2人とも、どうしたんだろうね?」


休憩時間にコソッと紗英がそう聞いて来たけれど、あたしにも真相はわかるはずもなく、首を傾げたのだった。
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