フォーチュン
ユーリスの大きな手は、アンジェリークの華奢な腕から、交差している豊かな胸元まで到達していた。
アンジェリークは、欲望に打ち震える体を止めることができない。
そのままユーリスに促されるように、手を握られたアンジェリークは、胸元から手を放した。

と同時に、裂かれたドレスがハラリと下へ落ちた。

「聞こえないな」
「・・貴方が・・・あなたが・・・」

ダメ!
いくら心から愛する男性とはいえ、ユーリス様は、私の姉と結婚する御方。
だから・・・だから、これ以上はいけない。
と分かっているのに、私の心が、魂が、体が、それと正反対なことを叫び続けていて・・・。
もう抑えることができない!

ごめんなさい、姉様。
ごめんなさい・・・。

「あなたが・・・ユーリス様が、ほしい・・・」

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