愛する人

✳️✳️軽率な行動


まったく、なんなんだよ。

あの写真の時は、
モデル仲間のミッシェルが
結婚が決まって喜んだのと
俺に二子が出来たお祝いで
ああ、なっただけだ。

山田さんが
「櫂、どうだった?
紫海ちゃんに、連絡ついたか?」
と、言われて
紫海に連絡がつかないのと
お袋から、言われた話をすると

山田さんは、
「櫂、お前が悪いよ。
そんないい方したら
お袋さんが、怒るのは当たり前だ。」
「なんでですか?
俺は、紫海を裏切ったことは、
一度もない。」
と、言うと
「なら、お前は
紫海ちゃんが、男の友達
まあ、諒さんでもいいけど
諒さんと抱き合って
諒さんが、紫海ちゃんにキスしても
なんとも思わないんだな?
諒さんは、紫海ちゃんと友達だし
櫂を裏切ってるわけじゃないから。」
と、言われて

紫海が、俺以外に抱き締められて
なおかつ、キス?
考えられない。

紫海は、俺のだ。

「わかったか、お袋さんは
そういう事を言っているんだ。

それに、あの写真一枚で
そんな内容は、はかり知ることは
できないんだぞ。
あの写真をみた
紫海ちゃんが
どんな気持ちか考えろよ。

てか、なんでミッシェルを
抱き締めたり、キスされたり
したんだよ。

あの日、休みで
誰かの家にとまり、そのまま
朝まで出てこなかったのか
そう書いてあったぞ。

軽率だと言われても仕方ないん
じゃないか。」

「あの日、
ミッシェルの結婚が決まり、
ミッシェルの彼氏の家で
お祝いのパーティがあって、
飲みすぎて寝てしまったんだ。」

「パーティ?ねた?
パーティなら、他に女もいたんじゃないか?
まったく、紫海ちゃんが
いま、どんな状態か
わかってるんだろ?
お前、どうしたんだ?
手に入ったら·····そんなんか?」

「確かに····
ミッシェルの友人はいたけど
みんな彼氏、旦那同伴だったし
紫海のお腹には、俺の子が
いるのもわかっているよ。
紫海のことは、変わらず大切で
大事に思っていますよ。
だが······
やはり、軽率でした。」

「しっかりしろよ。
子供二人の父親なんだろ?
日本では、お前かなり叩かれてるぞ。

あんなに溺愛していても
五年で飽きたのか・・とか
新たな恋人?いや、愛人か?·····とね。

俺は、紫海ちゃんの
精神状態が心配だよ。」

「そんな、脅さないで下さいよ。」

「今までも、何かある度に
誤解だからと連絡していたが
毎回、毎回、紫海ちゃんは、
平気ではなかったんだぞ。
ただ、モデルの嫁だから
と、言っていたよ。」
と、言われて

俺は、改めて
紫海に負担をかけていたことを
思い知った。
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