夏、夢、そして君。

精一杯の私の強がりはやっぱり架には通用しないみたい。
架は私を優しく抱きしめた。

「ごめん、ごめんな。お前が今、一番辛いのに…!俺がこんな弱い姿見せて…。俺はもうたくさん泣いた。今度は未来が泣く番だ。…嘘つかなくていいから。」

架には私の心が見えてるのかな?
私は架の胸でたくさん泣いた。
今までにないくらいの涙が出てきた。

「っどうして!?!?どうして私なの!?どうしてあの時アイツはつっこんできたの!?私の夢はどうなるの!?私は、私は、私はもう…野球は…できないの…?」

「俺がお前の夢を叶える!必ずだ!絶対にお前の夢を叶える!お前をあの夢舞台に連れていくから!」

「架…。」

架のゆう夢舞台は甲子園のことだ。
小さい頃から私たちは甲子園出場を目指して野球を始めた。
架は有言実行な男だ。
きっと私の夢を叶えてくれる。

「俺、いっぱいいっぱい頑張るから!だから未来もがんばれ!あー、もう!恥ずかしいわ!じゃあ、俺はもういく!じゃあな!!」

架は耳まで真っ赤にしながら病室を去っていった。
私はリハビリを頑張ろうと思った。
はやく私が元気になってもっと架にがんばってもらおう、と決心した。
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