雨のち虹 ~カタツムリの恋~
心の声
昨日先輩にもらったタバコを左ポケットから出して、慣れない手つきで吸ってみる。
うまくもなんともない。
俺はタバコで、緊張を消し去ろうとして、よけいに緊張していた。
火を付けてすぐに消した俺のタバコをじっと見つめたまま、彼女が話し出した。
それは、とても突然で・・・
俺が思っていたような内容でもなく、
俺が彼女に対して抱いていたイメージを180度変えてしまうものだった。
俺は、彼女の綺麗な指先と瞳の奥のキラキラと光る点を交互に見ていた。
吸い込まれるように、
俺は・・・
彼女の世界にのめり込んでいった。