偽王子と嘘少女
「なんとかなるよ」


『こんにちは。
同じ中学校だった柊 かぐやです。』


こんな感じで良いのかな。


3時間に及ぶ自問自答の末、一番シンプルなアイディアを採用することにした私。


そう…さっき藤堂くんにもらった紫水くんのアドレスに、メールを送ってみることにしたのだ。


決まったのは、いいけど…


どうしても、送信ボタンが押せない!


本当にこれでいいのか、と不安になってしまう。


このやりとりを、おそらく百万回ほどしていることだろう。


それだけ、勇気が出ないということだ。


< 142 / 273 >

この作品をシェア

pagetop