偽王子と嘘少女
「まあまあ、そんなこと言わないでよ! これが、人見知り克服のチャンスになるかもしれないじゃん?」
「そっかぁ…って、そんなんでOK出来ないよ!」
だいたい、なんで私が合コンなんて…。
「私だって、行きたいわけじゃないよ? でも数合わせって言われて、断れなくてさー。お願い、こんな私に免じて一緒に来てくれない!?」
頼まれたら、断れない。
それは私も同じで、希子を同情しながらも行くことに決めたのだった。
その日の放課後。
私たちは、合コンの会場だという、近くのレストランへと向かっていた。