偽王子と嘘少女
「………えっ」
思いもよらない言葉に、つい耳を疑う。
だけど、そんな私に紫水くんはもう一度…
「柊さんのことが、ずっと好きだった」
「………っ!」
曇りのない綺麗に澄んだ瞳は、私の全てを見ているようで、緊張が高まり、目をそらす。
「本当、なの…?」
「うん」
「好きってこと…?」
「うん」
「私が…?」
「うん」
急に言われても、信じられないよ。
だって、ずっと夢だったんだもん…。
紫水くんと結ばれることが。