情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
「失礼します」

処置室に神尾が入って来た。

「神尾お前が居ながら、蓮が怪我するなんて珍しいコトもあるもんだな」

「すいません…湊様」

「神尾は悪くない。俺が無茶しただけだ・・・」

「拳銃で撃たれるなんて・・・尋常じゃないトラブルだな。本当にビジネス絡みか?」

「個人的なトラブルだ。湊。爺さんには言うなよ」

「しかし・・・」

「頼む。誰にも言わないでくれ」

爺さんが知れば、日葵とは結婚出来なくなる。

連中には顔バレしてるし、素性がバレるのも時間の問題。

俺も金森さんと同じで連中はマークしてくるだろう。


「日葵さんのCT結果は異常ないそうです。蓮様」

「そうか、良かった」

「金森さんが付き添っていますので、ご安心下さい」

「ああ」

「処置は終わった。後は鎮痛剤を用意するから待っててくれ」

湊が部屋を出て行った。

俺と神尾の二人。

「蓮様」

「連中の日本語のイントネーションが少し変だった。もしかしたら、日本人ではない可能性がある」

「それは厄介ですね」

「他国のスパイかもしれない」

「…そうなれば、蓮様だけの力では守りきれませんよ」



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