情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～
家族を失い、我が家に来た真琴兄ちゃん。

「初めまして、日葵ちゃん」

「日葵、真琴君は今日からお前のお兄ちゃんだ」

父にそう説明され、私も嬉しくて真琴兄ちゃんをジッと見つめた。

「よろしくね。日葵ちゃん」

心地の良い優しいボイス。
一人娘で寂しい想いをしていた私にも兄が出来た。

泣いていたら、私を懸命に慰めてくれた。

私は目の前で、泣く真琴兄ちゃんに近づき、涙を拭う。

「日葵・・・情けない姿を見せているね・・・」

「そんなコトないよ。
真琴兄ちゃんは私達家族の為に頑張ってくれていたんだ・・・」

私なんて、父に言われるまで、会社の経営不振を知らなかった。

「ゴメンなさい。私・・・会社のコトは何も知らなかったの」
父は家では一切、仕事の話をしない人。
父や真琴兄ちゃんが私と母の知らない所で、こんなにも苦労していたんだと思うと申し訳なかった。




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