情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

「お前、俺のコト憎いんだろ？」

「蓮、素直になりなよ」

「蒼斗、余計なコトすんなよ・・・」
紫色の瞳の外人さんが私をジッと見て、急に話しを始めた。

「『ラビエータ』は母方の伯父が代表を務める会社なんだ。製薬市場の規模を見るとこの国はアメリカに次いで、世界第二位を誇っている。
自力で日本市場に進出するのは無理だから・・・『周防ホールディングス』と手を結んだ。大体、生物兵器の開発や生産、貯蔵は国連が全面的に禁止しているだろ？こっち側してみれば、黒い噂は全くのフェイクで、いい迷惑なんだ。蓮を狙った連中は『ラビエータ』とは無関係だ。
武器を開発して、巨万の富を狙う中東の武器商人たちだ」

「・・・来週、『ジーザス』の吉良ＣＥ０が来日される。
吉良ＣＥ０が金森さんの新薬の開発再開のサポートしてくれるコトになるし、彼の警護も『ジーザス』が全面的に引き受ける形になる。安全も保障してくれると思う」

「じゃ真琴兄ちゃんも私達も普通の生活に戻れるのね」

「そうだな…良かったな。日葵」
蓮も二人の話は初耳だったよう。

「蓮・・・ありがとう」

「俺は何もしてない」

「でも、ありがとう・・・」

「智也先輩や蒼斗に礼を言えよ。日葵」

「その前に自己紹介させろ。蓮
俺は氷室智也だ」

「氷室陽依さんとは？」

「陽依の従兄だ」
所々、疑問点が残るけど、蓮と私の間の障害が無くなった。

「智也先輩がここに来たのは、そのコトを伝える為だったんだな・・・」

「そう言うコトだ。身内が悪者にされているんだ。黙っていられなかった。しかし、まさか、敦司様が陽依を蓮の見合い相手に推すなんてな・・・」