キミと私の好きなヒト
「実加が三木くんを好きだったことなんて知ってるんだから。うそ吐いたら許さないよ」
嬉しそうに名前を呼んで、楽しそうに言葉を交わして、幸せそうに表情を緩ませて。
誰でもわかった。
私には、よくわかった。
私の発言に言葉をぼかすのを諦めて、実加は手にしたままのポッキーを口に入れずにふらりと揺らした。
「理加の気持ちを知っているうえでわたしの気持ちなんて、言えなかった」
実加の言葉に怒りが熱を持ち、身体中をぐるぐると駆け巡る。
抑えきれない感情が私を震わせる。
実加は三木くんが好きで、三木くんも実加が好きで。
そこに私の入る余地なんてないのに、どうして巻きこむの。
私の気持ちを隠しきれているとは思っていなかったけど、こんな形で示されてしまうなんて。
……実加は、残酷だ。
「ばかにしないで!
私の気持ちなんて関係ない、」
「そうじゃない!」
大きな声を出していたのに、私の勢いをも超えて遮ってくる実加の声。
思わずびくりと肩を揺らして言葉をつまらせると、キミはもう1度小さくそうじゃないよ、と呟いた。