ひと月の妹

大切な妹さんを亡くされて

幼馴染であるみかんさんの記憶を

忘れてしまった司さん

 
表面と違い

死に捕らわれているひとのようで

桜の木がゆらゆらと揺らいで

彼がどこかへ消えてしまいそう


夜の桜さえも彼に恋をして

その想いが激しすぎて

彼をどこかへ連れていってしまう


私は、そんな錯覚に陥った。


 

 

 

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