ひと月の妹

突然

 

 
突然に呼び出されたのは、てっきり・・・

「そろそろ自分の政略結婚を決めた!!」

実の母親がそんな話をするのかと思って

会場入りをしたのに・・・

どこの奴かもしれない女が自分の妹になったと発表される始末だ。

同じ年齢の妹が急に増えて 嬉しい気分ではない。

「血の繋がった妹ならば ちゃんといる!!」

22歳の星(アカリ)現役の女子大生だ

新しい妹になった女をホテルの別室に呼び出し

その理由を聞いている。

女は自分の質問に答える。

「ひと月だけの妹になりました。」

「はぁ?」司は訳が解らない

「これはビジネスです。紫藤司さん」

女はどこまでも冷静に答える。
 
「ひと月後には、私は結婚します。」

「私のお相手の佐々木財閥の佐々木圭さんのご希望で

きちんとした家柄の娘を嫁にされる」ということで

「紫藤家と縁を結びました。」

佐々木財閥と紫藤財閥との企業が円滑な

ビジネス提携のおまけのようなことです。

「ひと月後には、私は佐々木みかんになります。」

「紫藤みかんはひと月だけのことです。」

「だから紫藤司さんは気になさらずに

忙しくお過ごし下さればと思います。」

気にするなって・・・

おふくろはこの女に

弱みを握られたわけじゃなく利益のためかよ!!

 

 

 

< 2 / 302 >

この作品をシェア

pagetop