ひと月の妹

「小さい頃の司さんは、羽島家に行くたびに

妹を欲しがったわ。」

「みかんさんにお兄さんの淳史さんがいたから」

「わたくしは、司さんの希望を叶えてあげられなかったの」

「それで、あなたのお母さんに羽島家に産まれた

かりんさんを紫藤家の星(アカリ)さんとして

これまで司さんの妹として過ごさせてきたの。」

「だから あなたには、司さんと

ずっと幼馴染でいて欲しかったの」

「みかんさん、ごめんなさい。」

「羽島家の妹のかりんちゃんをうちに貰ってしまって

あなたまでうちに貰ってしまうのは、

良くないんじゃないかと

わたくしは、そんなことを思っていたの。」

 

 

 

  

 

 
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