夕闇がきみを奪う前に
きみが、ここにいた
これは、あいつの家の小さい庭で小さいビニールプールで遊んだときの写真。

あいつ、水鉄砲で俺ばっかり狙ってきたんだよな、他のやつもいたのに。

こっちは、かまくら作って中に入ってピースしてる。

ピンクの毛糸の防止を被って、寒いからって頬をリンゴみたいに赤くして、にっこり歯を見せて笑う笑顔があいつらしい。


アルバムを1ページ1ページ、丁寧に大切にめくっては、写真に切り取られた思い出と記憶を懐かしむ。


切り取られた写真の中のあいつは、輝いていた。

楽しそうだった。嬉しそうだった。

涙を流す姿も、泥だらけになった姿も、緊張した表情も、ああ生きているんだと、その証拠があるんだと思えて愛しくてしかたがない。


写真の中のあいつを見るたびに、その笑顔を見るたびに、泣けてくる自分は女々しいのかな。




ああ、神さま。


それから、運命も。


なあ、どうしてなんだよ。


こんなの、あまりにも理不尽だろ。


どうしてあいつの運命はこんなに酷いんだよ。


あいつが何をしたっていうんだよ。


どんな悪いことをしたって言うんだよ。



嘘もまともにつけないような、純粋で優しいやつだった、それなのに。





なあ、どうしてあいつが死ななきゃいけなかった?




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