恋愛の始め方
「あたし、そろそろ行かないと!お先します」


一言断りを入れ、あたしは荷物を手にその場を後にした。

まだ、帰ってないよねぇ?

かなが居そうな場所を、キョロキョロと見渡す。

あ、居た!

あたしは、かなの元へと足早に向かった。


「かな、お疲れ」


少し上がった息を整えながら、声を掛ける。


「志乃!あんた、帰ったんじゃなかったの?」

「ご飯でもと思って、かなのこと待ってた」


そう言い、かなに笑みを零す。


「珍しいね、志乃からの誘いなんて」

「そうかな?」

「うん。あたしも志乃に聞きたいことあったし、付き合ってあげる」


聞きたいこと?

ふと疑問に思いながら、あたし達は場所を変えた。

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