恋愛の始め方
涙色の過去
「おっそい!」


口を尖らせ、膨れるかな。


「ごめん。色々してたら、約束の時間過ぎてた」

「もう!待ちくたびれた。今日は志乃の奢りだからね」


え、マヂ?

でも、仕方ないか。


「わかった。好きなの頼んで」

「やった!」


ガッツポーズし、かなは嬉しそうに喜ぶ。

そんなかなを見て、女の子だなと思う。

何がと聞かれたら困るが、言動の1つ1つがあたしとは違う。


「お疲れ~」


運ばれてきたグラスを交え、ビールを体に流し込む。


「旨ッ」


ビール飲んで、そんな言葉が自然と出てくる時点であたしは女らしくない。

まぁ、今さら女らしさなんて求めてもないけどね。

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