空の下
*第一章

+黒-雨


太陽があたしを照らす

眩しいくらいに

中学に入学して初めての夏休みが終わった

始業式が始まる

狭い体育館に閉じこめられる生徒達

あたしもその一人

鈴村蒼空(スズムラ ソラ)

容赦なく体育館を照らす太陽

暑い…

「暑すぎる」

九月になるっていうのに

空が雲一つない青空

地球温暖化?

そういやぁ…

インターネットで秋がなくなるとか…

ついに潮時か?

「蒼空ぁ…暑い、暑すぎるぅ」

「あたしだって、焼かれそうに暑いよ」

「焼かれるってどんだけぇ」

この子は

岩岡瑞季

「蒼空…空が青いでぇ」

「だからどうした?」

「飛行機雲を探してしまうのぉ」

「どんだけ」



あたしと瑞季は教室へ向かった

運が良く、瑞季と同じクラス

教室に入っても、

暑い

「あぁ〜!なんかイライラするぅ!」

「暑いからでしょ」

「ちょ蒼空どうにかして」

「無理」

この暑さに何人が苛々しているだろう

あぁ…

青い空が見ていると気持ちいい

「?蒼空どうした、飛行機雲あった?」

「ないよ」

小鳥が飛んでる

あたしも空を飛んでみたい

そう思ったのはバカだったかな?



「蒼空ぁ♪お昼ぅ」

お弁当を持ってルンルン気分の瑞季

「また蒼空のちょーだいね☆」

「はいはい」

< 2 / 29 >

この作品をシェア

pagetop