拷問ゲーム
「そんなオレのガキの頃の遊びが、昆虫取りさ。

地味な遊びだろ。

オレはよ、虫かごにいっぱい入った昆虫を一匹ずつ取り出して、そいつに拷問を加えてやったのさ。

羽をむしり、足をねじり取ってさ。

ああ、この昆虫も、理不尽な目にあってやがるんだなって。

そんなとき、オレはその昆虫に話しかけたよ。

どうだ、苦しいか?

痛いのか?

だけど、オレは助けてやらないよ。

弱者はいたぶられ、何も言えずに、ただのたうちまわる。

オレはそんな昆虫の頭をさ、プチッと指で押しつぶしてやるんだ。

そんときオレは、幸せなんだよ。

オレはこんな弱者じゃなくて、良かったってな」




〈 この精神異常者め! 〉




オレは藤城の話を聞き流すことができずに、不安ばかりがふくれ上がった。




〈 オレはバカでも、お前ほど悪趣味じゃねぇよ! 〉
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