年下男子とリビドーと

「それは大学の学祭のサイトで、委員やってた時に作って」
「へぇ~可愛い~! 実際の学祭、楽しそうだな~。なんか想像力が膨らむ……」

顔を上げると、成海くんは見たことのないような、素敵な顔で笑った。

「それ最高の褒め言葉」

心臓を鷲掴みにされたように、急速に鼓動が早まる。
同時に、成海くんが純粋に羨ましくてたまらなかった。

「……美大生ってみんなこのくらいの時期に就活してるものなの? 4年生だよね」
「はい、年明けて卒制終わってからする人も少なくないし、もしかして早い方かも。でも、就職浪人はしたくなかったんで」

成海くんの様子を眺めながら、感じた。
きっと、自分の働く姿とか、仕事ぶりとか、イメージが出来ているからこその言葉なんだろう。

「成海くんは、きっと大丈夫だよ。ちゃんと未来のビジョン描けてるもの」

返した笑顔は、寂しげに映ってしまっただろうか。
少し成海くんの表情が曇る。

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