年下男子とリビドーと

仕事について、成海くんに言われたことを真剣に考えた。

正社員になることが、わたしのモチベーションになる……その通りかもしれない。

成海くんも頑張っている。
今も何処かで、面接を受けているかもしれないし、履歴書を書いているかもしれない。

遅い昼休み、お弁当を口に運びながら、窓の外を見上げた。


課長と面談した。

「正社員の話、受けさせて下さい」

わたしの言葉に、課長はにっこりと微笑んだ。

「これから1ヶ月、猛特訓だよ」
「はい」


試験に向けた勉強と、面接練習の日々を送った。
毎日家に帰ってから、2時間は机に向かった。
ほぼ昼出勤シフトのわたしは、朝早く行って、練習の時間を取って貰った。
忙殺されるような毎日。残りの時間は睡眠に当てた。
大変だけれど、充実していた。
恋愛のことを考えずに済んで、少し気が楽だった。

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