年下男子とリビドーと

何度も何度も、キスをした。
熱い熱いキス。

首筋を撫で、舌を絡め合い、時々見つめ合う。
何分経ったかわからない。

成海くんと、あの日出会った階段で
首に腕を絡ませ、髪を撫でて
ずっと、やめたくなかった。



さすがに人が来てしまいそうだったので、ビルを後にした。
衝動が抑えられないというように、ホテルへ向かった。

しかし、ホテルへ入ったものの、肝心な話を何も出来ていないことに気付いた。


「ちょっと待って……話、まだ出来てない……」

ベッドに押し倒された状態で、成海くんを上目遣いで見つめた。

「そうだね……じゃあ、話しながらゆっくりしよ?」

その言葉と、わたしの上から真っ直ぐ向けられた熱っぽい眼差しに、ときめいて心臓がきゅんっと締め付けられたのがわかる。
成海くんがカーディガンを脱ぎながら、腕をわたしの顔へ伸ばした。

「俺、もう限界来てるけど……絶対大切にするって、決めてたし」

髪にキスが降ってくる。

「……そんなに、想ってくれてたの……? ならどうして避けて……」

「一緒にいたら、自分抑えられる自信なかったもん。キスしちゃったし」

今度は少し拗ねたような表情に変わって、その姿がとても可愛くて、ますますときめいてしまう。

< 67 / 73 >

この作品をシェア

pagetop