君と私の恋愛経験値

「なんか可愛くない…」


言葉が漏れる。
だって貝斗がこんなにも遠く感じる…悔しい気持ちもあるけれど、寂しい気持ちもある。



「はぁ?」




その言葉を聞いて、貝斗は不機嫌そうに顔を歪めた。




とその時ーー…

「あれ、噂の雪染くんじゃない?」



小さな声に本人はしていたつもりなんだろうけど、貝斗の名前が聞こえた。




声の主の方に顔を向けると、同じ学校の制服の女の子が2人。




もしかして、同じクラスかな。話しかけてみようか…




「えー?じゃああの隣にいる人って誰!?彼女!?ちょー悲しいんだけどー」




…ってそうじゃない



すっかり忘れてたけど、貝斗はイケメンになっちゃったんだ。モテるんだった。




もし貝斗とこんな風に一緒に帰ってるって誰かにバレたら……!






『おいお前雪染くんと仲良いんだって? 』
『お前みたいなチビは引っ込めよっ』



ぎゃー!
いじめられて体育館裏に呼び出しくらっちゃう…!私の友達と遊んで恋人つくる平凡で平安な高校ハッピーライフが!!!!



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