音の響きが、、、流れる、、
カッコーン〜〜
そう昔ではないとある少年の話

(カッコン〜〜〜)

ある山の鹿おどしが日常を教えるように鳴り響く家に一人の少年がいました。
その少年は、元気で、人懐っこく、将来は、親の竹細工を継ぐと決め、一生懸命働いていました。そんな姿は、周囲からの評判もよく、褒められるばかりでした。

(カッコン〜〜)

とある日そんな少年がいつものように働いていると、

(カッ、コン〜〜)

家の隣に少女が引っ越してきました。
その少女は、いつもおとなしく、人見知りで、
あいさつのときも親の後ろに隠れていました。
そんな姿に、少年は何故だか、、もっと少女と関わりたくなりました。

(カッ、カッコン〜)

少年は、少女に時間ををかけ、少しずつ、少しずつ、打ち解けていきました。

(カッコン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

男性は、いつものように仕事を終えると、ある日約束した、庭に小さな鹿おどしを作り、女性にプレゼントしました。

((カッコ〜〜〜〜〜〜〜ン))

二つの鹿おどしの響きがあたり一帯に響き渡ります。
女性は、それを見るや嬉しくて男性に抱きつきました。
二人は、そんな日常が幸せでした。

((ガッ、、ガッ、、バッシャャ〜ン))

男性は、その場にうずくまり泣き叫びました。喉がかれるほど泣き叫びました。
女性の庭の鹿おどしが聞こえないと思って、隣の庭を覗くと、、なんと鹿おどしといっしょに女性が倒れていました。
いくら声をかけても女性は眠ったままでした。

、、、、、、、、、、
(カッコン〜〜)

自分の庭からしか、鹿おどしは、聞こえなくなりました。

(カッコン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

老人は、昔のことを思い出しました。
なんであんなことに、、と
しかし、考えてもわかりませんでした。
毎日、毎日、考えました。
すると、関係ない一つのことが頭に浮かびました。

なんで鹿おどしが壊れたのかと、、
こんなこと考えることじゃなかったけど老人は不思議でした。何故なら、腕は一流で自分のの作ったものがそう壊れるはずがないと思っていました。
しかし、今となっては分かりません。

((カッコーン〜〜〜))

老人は、夢を見ました。
懐かしい鹿おどしの二重奏でした。
男性は夢の中で、女性に再開しました。
男性は、女性と抱きつきながら泣きました。
その涙で鹿おどしがまた響き渡ります

((カッコーン〜〜〜〜))

そして、鹿おどしは響かなくなりました、、。

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