キミの隣、笑顔のあなた



恥ずかしすぎて、先生の顔は見れなかったけど。

それでも、伝わってたらいいな。

「・・・っく。
 また、枩谷に言わせてしまったな。悪い。」

「いえ...」

「俺でいいのか?本当に、俺で。」

「先生が、いいんです。」

「...枩谷、いや、茉胡。
 俺と付き合ってくれ。」

改めてそう言ってくれる先生に、うちの胸はもうキュンキュンだ。

「...うちでよければ、喜んで!!!!」

そう答えると、先生はまたうちをぎゅっと抱きしめてくれた。

それから、うちは先生のことを『澄さん』と呼ぶことになった。

アドレス交換もして、少し話しこんでしまっていたら、チャイムが鳴りそうになったので、「今日はもう帰れ」って言われて、教室に向かった。



「・・・っていう感じです。」

恥ずかしっ!!

職員室を出るとき、「夜、連絡する。」そう小声で言ってくれたことは、茉依には内緒にした。

そんなこと言ったら、確実に顔から火が出ると思う。

「そっか。よかったね。本当に。」

「・・・全部、全部茉依のおかげだよ。」

本当に、本当に。感謝してもしきれない。

「本当に、ありがとう。」

そんなことを話しているうちに、気づいたらいつもの分かれ道に来ていた。

「じゃ、また明日。
 あ、茉依。茉依にも好きな人ができたら、ちゃんと言ってね。
 どんな相手でも、うちは茉依の味方だし、応援するから。」


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