キミの隣、笑顔のあなた



「わあ!これ、がま口の財布だ!
 かわいい!!けど、高そうじゃない?
 ・・・あれ?茉依?」

「・・・あっ、あ、ごめん。」

「ううん、うちはいいけど、茉依、疲れてるの?」

「いや!違うから!そんなことない、大丈夫。
 あれ、がま口の財布だ。かわいいね。」

挙句の果てに茉胡にまで心配されてしまう私は、本当にダメダメだ。

私の心の中の気持ちに気づかれないように、いつもより明るく話した。

バイト終わりだから、とたぶん怪しまれはしないと思う。

「だよねー!やばい、うれしすぎる!!
 今日の夜、電話でお礼しよう。」

茉胡たちは付き合ってから、毎日メールか電話をしているようで、二人の仲は順調だ。

澄にいの隣にいれるのは私だけだと思っていたあの頃の自分をぶん殴ってやりたい。

目の前にいる私の親友が、誰よりも澄にいを幸せにしている。
そして多分、今澄にいを誰よりも幸せにできるのは、きっと目の前のこの子だけだ。

その事実に再び胸が苦しくなる。


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