キミの隣、笑顔のあなた


そんなことを考えてるうちに、校舎裏についていた。

最近、私は校舎裏にくることが好きになっていた。

決まって放課後。

ここからは、第一体育館が見えるので、男バスの部活動の様子がよく見える。

前、葉菜ちゃんが教えてくれた佐伯くん、という子のバスケスタイルが私の好きなプレースタイルで、佐伯くんのバスケットを見たくなった時、よくここに来るようになっ
ていた。

本当に、どうして今まで佐伯くんのことを知らなかったんだろうと思うくらい、佐伯くんは人気者でびっくりした。

本当は体育館で見たいけれど、体育館は佐伯くんのファンで埋め尽くされているから、なかなか見えない。

けれど、ここからはしっかり見えて、結構穴場スポットになっている。

「わあ、今日もいい動きしてるなあ。」

30分ほど、寒い外、しかも日陰で佐伯くんのバスケを見てから、私は足元の花に目を向けた。

「この花・・・。前来た時も、咲いてた...?」

前来たのは、10日ほど前。
この10日間、寒さに耐えながら、かれずにここにずっと咲いていたらしい。

「あなたは、強いね。
 何にも負けずに、ずっと芯を通して生きてる。」

花に向かって思わず、そう話しかけていた。


< 233 / 361 >

この作品をシェア

pagetop