キミの隣、笑顔のあなた



「そっか。できたらいいね!
 ・・・今度はケンカしないようにね!」

「あははっ!そうだね、気をつける。」

「よし、それじゃあ、帰りのHR始めるぞー。
 やっていることをいったん止めて、話聞けー。」

タイミングよく、担任が来たので、そこで会話は終わった。


最近、こういう話でも、ちゃんと笑えるようになった。

心から、という点ではいまだに難しい部分があるが、それでも、茉胡に見られるとき、不審がられるほどぎこちなくはなくなったと思う。


それに、茉胡たちは、本当にすごいと思う。

澄にいは、茉胡に手を出さないし、茉胡もたくさん我慢していることがあると思う。


本当はもっとデートしたい。

遊びたい、一緒にいたい。


そう思っているはずなのに、それを我慢する。

毎日のメール、電話。

それで、お互いをつなぎ合う。

不安な部分もたくさんある、って茉胡は言ってたけど、それでも、ここまで続いたのは、お互いがお互いを思い合って、信頼して、2人だけの絆があるからだと、私は思う。

だからこそ余計、私の想いは日に日にどんどん心の奥底へと、沈んでいく。

船が沈没してしまうように、未練が残ったまま見えなくなってしまいそうな気がしている。


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