遠まわりの糸
目的の店は、電車で5駅先にあった。
電車でも、どんどん話しかけた。
「葵は、なんでコンタクトにしねーの?」
いま葵は、自宅用のメガネもかけてない。
つまり、めちゃめちゃかわいい、俺が一目惚れした素顔ってことで。
コンタクトにすれば、いつもいつもこの素顔ってことだもんな。
「えっと・・・コンタクトを目に入れるのが怖いから」
「そうなんだ」
メガネをやめてコンタクトにしたら、きっと葵の魅力に気づく男が続出するに決まってる。
ライバルは少ない方がいいから、メガネのままがいいのかもな。
「葵は、部活なにやってんの?」
「帰宅部」
「へー、てっきり文化系かと思ってた。
なんか、習い事してるとか?」
「うん、予備校へ行ってる」
「大学受験のため?」
「そう、国立大めざしてるから」
「そっか、すげーな。
そういえば、洋介が言ってた。
葵はだいたい、教室で本を読んでるって。
参考書とか、難しいヤツ読んでんの?」
「ううん、小説が多いよ」
「俺、ぜーんぜん本は読まねーから、わかんねーな。
俺にも読めそうな小説ってある?」
「うーん、そうだね・・・サッカーが好きなら、サッカーが題材になってるのがいいかもしれない。
たしか、前読んだことがあるよ」
「マジ、じゃあ今度わかったら教えて」
「うん、わかった」
そう言って微笑む葵は、やっぱりめちゃめちゃかわいい。
「葵、いつのまにかタメ口になってる」
「あっ、ごめんなさい」
「謝んなよ、タメ口の方がいいから」
電車でも、どんどん話しかけた。
「葵は、なんでコンタクトにしねーの?」
いま葵は、自宅用のメガネもかけてない。
つまり、めちゃめちゃかわいい、俺が一目惚れした素顔ってことで。
コンタクトにすれば、いつもいつもこの素顔ってことだもんな。
「えっと・・・コンタクトを目に入れるのが怖いから」
「そうなんだ」
メガネをやめてコンタクトにしたら、きっと葵の魅力に気づく男が続出するに決まってる。
ライバルは少ない方がいいから、メガネのままがいいのかもな。
「葵は、部活なにやってんの?」
「帰宅部」
「へー、てっきり文化系かと思ってた。
なんか、習い事してるとか?」
「うん、予備校へ行ってる」
「大学受験のため?」
「そう、国立大めざしてるから」
「そっか、すげーな。
そういえば、洋介が言ってた。
葵はだいたい、教室で本を読んでるって。
参考書とか、難しいヤツ読んでんの?」
「ううん、小説が多いよ」
「俺、ぜーんぜん本は読まねーから、わかんねーな。
俺にも読めそうな小説ってある?」
「うーん、そうだね・・・サッカーが好きなら、サッカーが題材になってるのがいいかもしれない。
たしか、前読んだことがあるよ」
「マジ、じゃあ今度わかったら教えて」
「うん、わかった」
そう言って微笑む葵は、やっぱりめちゃめちゃかわいい。
「葵、いつのまにかタメ口になってる」
「あっ、ごめんなさい」
「謝んなよ、タメ口の方がいいから」