【短】獣耳っ子と日常
畑につくとまずはニンジンに水やりをする。

「ふ~んふ~ん。」

まだ上手に鼻歌を歌えない。

「のんたんのにーじーさ。おーしーでーか。」

(のんたんのニンジンさん。美味しいですか。)

ジョロジョロジョロ。

ノンの鼻歌と水が落ちる音がする。

だが・・・

「みゃぁっ。」

水の勢いで何かが跳ねた。

「む~。」

何が跳ねたのかノンは近づいて覗き込む。

「・・・。・・・。」

「っあ!み~ずさーだ。」
(っあ!みみずさんだ。)

その物体はみみずだったのだ。

ノンはミミズと一生懸命話す。

「のんたんのね。にーじーさね。おーしーよ。たーる?」
(のんたんのね。にんじんさんね。おいしいよ。食べる?)

返事のしないみみずにずっと話しかけるノンだった。
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