親友の死、コトバは罪より重い(アメリカイヌホオズキ)
私の成績は中の下だから疑われる事はないと思うんだけど…でも、怖い…。
「確か前の期末のテスト学年一位は天城だったよな?」
山本くんのその言葉にみんな一斉に天城さんを見た。
でも天城さんは冷静だった。みんなの視線を気にしていない。
「沙耶を殺しても私には何も得るものは無いわ」
天城さんの答えに私は息をのんだ。
クールで冷静沈着な天城さんに目を奪われそうだったから。
「山本くん、犯人捜しする暇があるなら勉強する方がいいと思うけど」
「こんな状態で勉強できるほど馬鹿じゃねぇんだよ」
「私を疑いたいなら疑ってくれても構わないけど、必死になりすぎよ。山本くん」
山本くんは天城さんに向かって舌打ちをし目を逸らした。
これは私の予想だけど山本くんは沙耶の事が好きだったんだと思う。
葬儀の時も友達に支えられなきゃ歩けないほどフラフラだった。
だから沙耶を殺した犯人を許せないでいるのかもしれない。
山本くん、沙耶によく話しかけたりもしてたから…。
* *
HRが始まるまで議論をしていたけど、結局、確実に犯人が誰なのかわかったのは学校を欠席している尾崎さんだけで加藤さんは容疑者候補という事になった。
まるで、有罪扱い。
これが本当に正しいのか、もしくは間違っているのか私は確かめたい。
でも梶谷さんは転校した直後に電話番号もメールアドレスも変えてしまっていて連絡がとれない。
家も知らないから訪ねられないし転校先も知らない。
昼休み、職員室を訪れて雪村先生に梶谷さんの転校咲きを教えてもらおうとしたけど
「ごめんなさい。わからないの」
先生もわからないなんて、どういう事?
雪村先生も“教師”としてどうなの?
何も知らないなんて…。
個人情報は教えられない。なら納得したけど、わからないって意味わからない。
梶谷さんは雪村先生に何も告げず謎を残したまま去ってしまった。
だったら尾崎さんに直接聞くしかない。
尾崎さんは全てを知っている人。
私は学校が終わったら尾崎さんの家に行こうと決めた。