親友の死、コトバは罪より重い(アメリカイヌホオズキ)

挨拶


十二月二十二日 終業式終了後




三時間という寒い体育館から解放された私達は教室に戻り、早速ストーブを付けて周りに集まった。


手と指先が冷えて健康に悪い。


終業式の日は午前で授業が終わる。

教室や廊下、その他割り振れられた場所をグループに分かれて掃除を行って、それが終われば帰りのHRで担任の雪村先生の話を聞いて成績表を貰い今日の授業(終業式)は終了する。


と、思われたけれど

その前に…


「明日から冬休みです。皆さん怪我の無いよう気をつけてくださいね。ですがその前に皆さんに話しておかなければならない話があります」


雪村先生は私に目線を送った

それに頷き、私は席を立った。


「梶谷さん、こちらへ」


雪村先生に名前を呼ばれ、先生に導かれるように歩き普段先生が立つ教壇に立った。


教壇に立ち、クラスメイトのみんなの顔がよく見える。先生はいつもこの光景を見ながら授業をしていたんだと初めて知った。


クラスメイトは今から何が始まるのかと首を傾げていたり、隣の席の子とひそひそ話していたりザワザワとしていた。

私は先生に目配せをして頷き一度深呼吸をした後、話を始めた。


「急に私が教壇に立ってみんな”吃驚”しているかもしれませんが、実は私、梶谷朱は転校する事になりした」


私の一言は皆を動揺させた。


「こんな時期に転校って…まさか」


私が静かに、しかも目を伏せ、なんとも言えないような表情をしていたせいかクラスメイトで前の列に座る佐藤さんは勘付いたような感じだった。


これから話す話を淡々と呑気に話すことなんて出来ない。


私は一呼吸置いて、話を始めた。

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